魅力的な404エラーページを作成!設置方法を静的HTMLとWordPressで解説
はじめに
Webサイトを運営していると、どうしても発生してしまうのが404エラー(Not Found)です。
しかし、この404エラーページも、ただ「ページが見つかりません」と表示するだけではもったいないです。
オリジナルの404エラーページを作成することで、ユーザー体験を向上させ、サイトの印象を良くすることができます。
この記事では、静的なHTMLサイトとWordPressサイトの場合に分けて、具体的な404エラーページの作成・設置方法を解説します。
オリジナルの404ページを作る理由
- ユーザー体験の向上: 単調なエラーメッセージではなく、ユーモアのあるメッセージや役立つ情報を提供できます。
- ブランドイメージの向上: サイトのデザインに合わせた404ページで、ブランディングを強化できます。
- 離脱率の低下: トップページやサイト内検索への導線を設けることで、ユーザーの離脱を防ぎやすくなります。
- SEO対策: 適切な404ステータスコードを返すことで、検索エンジンからの評価を維持できます。
静的なHTMLサイトの場合
静的なHTMLサイトでオリジナルの404エラーページを作成・設置する手順は以下の通りです。
1. 404エラーページの作成
まずは、表示させたい404エラーページのHTMLファイルを作成します。ファイル名は慣例的に `404.html` とすることが多いです。
記述例 (404.html):
HTML
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0"> <title>お探しのページは見つかりませんでした | Your Website Name</title> <link rel="stylesheet" href="style.css"> <!-- 共通のCSSファイルがあれば --> </head> <body> <header> <h1>お探しのページは見つかりませんでした</h1> </header> <main> <p>申し訳ございませんが、お探しのページは存在しないか、移動してしまった可能性があります。</p> <p>お手数ですが、以下のいずれかの方法をお試しください。</p> <ul> <li><a href="/">トップページに戻る</a></li> <li>サイト内検索をお試しください。<form action="/search" method="get"><input type="text" name="q" placeholder="キーワードを入力"><button type="submit">検索</button></form></li> <li>URLを再度ご確認ください。</li> </ul> </main> <footer> <p>© 2023 Your Website Name</p> </footer> </body> </html>
このHTMLファイルは、Webサイトのルートディレクトリに配置します。
2. サーバーの設定
Webサーバーに対して、404エラーが発生した場合に作成した `404.html` を表示するように設定する必要があります。代表的なWebサーバーの設定方法を説明します。
Apacheの場合 (.htaccess)
`.htaccess` ファイルに以下の記述を追加します。`.htaccess` ファイルがルートディレクトリに存在しない場合は作成してください。
ErrorDocument 404 /404.html
この記述により、404エラーが発生した場合に `/404.html` が表示されるようになります。
Nginxの場合 (設定ファイル)
Nginxの設定ファイル(通常は `nginx.conf`)のサーバー設定ブロック内に、以下の記述を追加します。
server {
# ... その他の設定 ...
error_page 404 /404.html;
location = /404.html {
internal;
}
# ... その他の設定 ...
}
`error_page 404 /404.html;` で404エラー発生時のリダイレクト先を指定し、`location = /404.html { internal; }` で内部処理として `/404.html` を表示するように設定します。
注意点: サーバーの設定ファイルを変更する際は、設定を間違えるとWebサイト全体に影響が出る可能性があります。設定変更前に必ずバックアップを取り、慎重に作業を行ってください。
参考(サーバーの設定が不要なケース): 特定のホスティングサービスの場合、特定の命名規則に従った404エラーページ(通常は 404.html や error.html など)をサイトのルートディレクトリに配置するだけで、自動的にそれを404エラー時に表示してくれる場合があります。
WordPressサイトの場合
WordPressサイトでオリジナルの404エラーページを作成・設置する方法はいくつかあります。
1. テーマファイルを利用する方法
多くのWordPressテーマには、デフォルトの404エラーページ用のテンプレートファイル (`404.php`) が含まれています。このファイルを編集することで、オリジナルの404エラーページを作成できます。
- テーマファイルの確認: WordPress管理画面から「外観」 > 「テーマエディター」を開き、右側のファイル一覧に `404.php` が存在するか確認します。
- ファイルの編集: `404.php` が存在する場合は、そのファイルを編集します。HTMLやPHPコードを記述して、表示したい内容を作成します。
- ファイルの作成: `404.php` が存在しない場合は、新しいファイルを作成し、以下の基本的なコードを記述します。必要に応じてカスタマイズしてください。
記述例 (404.php):
PHP
<?php /** * The template for displaying 404 pages (not found) * * @link https://codex.wordpress.org/Creating_an_Error_404_Page * * @package YourThemeName */ get_header(); ?> <div id="primary" class="content-area"> <main id="main" class="site-main"> <section class="error-404 not-found"> <header class="page-header"> <h1 class="page-title"><?php esc_html_e( 'お探しのページは見つかりませんでした', 'your-theme-textdomain' ); ?></h1> </header><!-- .page-header --> <div class="page-content"> <p><?php esc_html_e( '申し訳ございませんが、お探しのページは存在しないか、移動してしまった可能性があります。', 'your-theme-textdomain' ); ?></p> <p><?php esc_html_e( 'お手数ですが、以下のいずれかの方法をお試しください。', 'your-theme-textdomain' ); ?></p> <ul class="suggestions"> <li><a href="<?php echo esc_url( home_url( '/' ) ); ?>"><?php esc_html_e( 'トップページに戻る', 'your-theme-textdomain' ); ?></a></li> <li><?php get_search_form(); ?></li> <li><?php esc_html_e( 'URLを再度ご確認ください。', 'your-theme-textdomain' ); ?></li> </ul> </div><!-- .page-content --> </section><!-- .error-404 --> </main><!-- #main --> </div><!-- #primary --> <?php get_footer();
作成した `404.php` ファイルは、使用中のテーマのディレクトリに保存します。
2. プラグインを利用する方法
WordPressには、404エラーページを簡単に作成・管理できるプラグインが多数存在します。「Custom 404 Error Page」などのプラグインを導入することで、コードを記述することなく、管理画面から404エラーページのデザインやコンテンツを編集できます。
プラグイン利用のメリット:
- コーディングの知識がなくても簡単に設定できる。
- 視覚的なエディターでデザインを編集できる場合が多い。
プラグイン利用のデメリット:
- プラグインの数が増えるとサイトが重くなる可能性がある。
- プラグインの互換性やアップデートに注意する必要がある。
404ページのデザインのヒント
- ユーモアを交える: ユーザーを笑顔にするような、ちょっとした遊び心のあるメッセージを取り入れる。
- ブランドイメージを反映: サイトのテーマカラーやロゴを使用し、一貫性を持たせる。
- 視覚的に分かりやすく: 大きなフォントで「404」と表示したり、イラストや画像を活用する。
- シンプルで見やすい構成: 余計な情報を詰め込まず、必要な情報(トップページへのリンク、検索フォームなど)を分かりやすく配置する。
ユーザビリティを高めるために
- トップページへのリンクを設置: 最も基本的な導線として、トップページへのリンクは必ず設置しましょう。
- サイト内検索フォームを設置: ユーザーが目的のページを見つけられるように、サイト内検索フォームを設置します。
- 人気のあるページやカテゴリへのリンクを設置: よく見られているコンテンツへの導線を作ることで、ユーザーの回遊性を高めます。
- お問い合わせフォームへのリンクを設置: どうしても目的のページが見つからないユーザーのために、問い合わせ先を明記します。
SEOにおける404ページの考慮事項
- 適切なステータスコードを返す: 404エラーページは、Webサーバーから「404 Not Found」というステータスコードを返す必要があります。これにより、検索エンジンは存在しないページであることを正しく認識できます。
- ソフト404エラーを避ける: 404エラーページの内容が薄かったり、トップページにリダイレクトしたりすると、検索エンジンから「ソフト404エラー」と判断されることがあります。これはSEOに悪影響を及ぼす可能性があるため、避けるようにしましょう。
- robots.txtでの制御: 誤ってクロールされたくない場合は、robots.txtで404エラーページへのアクセスを制限することもできますが、基本的には適切なステータスコードを返すことで対応できます。
まとめ
オリジナルの404エラーページを作成・設置することは、ユーザー体験の向上、ブランディング、SEO対策など、多くのメリットがあります。静的なHTMLサイトの場合はサーバーの設定、WordPressサイトの場合はテーマファイルの編集やプラグインの利用を通じて、簡単にオリジナルの404エラーページを作成できます。ユーザーにとって親切で、かつサイトの個性を表現できるような404エラーページを作成し、Webサイトの魅力をさらに高めていきましょう。
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